家を売るとき、不動産会社に支払う仲介手数料。「高いのでは」と感じる方は少なくありません。
2,000万円で売れたら約79万円。決して小さな金額ではありません。
この記事では、手数料がどう決まるのか、値引き交渉は通るのか、そして手数料が安い会社を選ぶと何が起きるのかを、実務の立場から正直にお話しします。
手数料の計算方法
宅地建物取引業法で上限が決められています。
| 売買価格 | 手数料の上限(税抜) |
|---|---|
| 200万円以下 | 売買価格 × 5% |
| 200万円超〜400万円以下 | 売買価格 × 4% + 2万円 |
| 400万円超 | 売買価格 × 3% + 6万円 |
ほとんどの取引は400万円超なので、実質は「3%+6万円」と覚えておけば十分です。
岡山の価格帯で計算すると
| 売買価格 | 手数料(税込) |
|---|---|
| 1,500万円 | 561,000円 |
| 2,000万円 | 726,000円 |
| 2,500万円 | 891,000円 |
| 3,000万円 | 1,056,000円 |
| 3,500万円 | 1,221,000円 |
支払うタイミング
一般的には2回に分けます。売買契約のときに半分、引き渡しのときに残り半分です。
成約しなければ支払いは発生しません。売れなかった場合、広告費をかけていても手数料は請求されないのが原則です(特別に依頼した広告を除く)。
400万円以下の物件には特例があります
2018年から、空き家対策として例外が設けられています。売買価格が800万円以下の物件では、最大30万円+消費税まで受け取れるようになりました(2024年7月に対象が拡大されました)。
たとえば300万円の空き家なら、通常の計算では14万円ですが、特例を使えば30万円まで請求できます。
「取りすぎでは」と思われるかもしれませんが、安い物件ほど手間は変わらないのが実情です。境界の確認、残置物の処理、買主への説明。300万円の物件も3,000万円の物件も、やることは同じです。この特例がないと、安い空き家を扱う会社がなくなってしまいます。
値引き交渉は通るのか
結論から言うと、物件と状況によります。
通りやすいケース
- 売れやすい物件 … 駅近、人気の学区、築浅など。広告をあまり打たなくても買主が見つかる
- 両手取引になる見込みがある … 売主と買主の両方から手数料を受け取れる場合、売主側を値引きしても採算が合う
- 価格が高い … 3,000万円を超えると手数料の絶対額が大きくなるため、多少下げても会社の収益は確保できる
通りにくいケース
- 売りにくい物件 … 築古、郊外、接道に問題があるなど。広告費と手間がかかる
- 価格が安い … 1,000万円なら手数料は約39万円。ここから削る余地は小さい
- 一般媒介で複数社に依頼している … 売れるかどうかわからない物件に費用はかけにくい
手数料を値引くと、何が起きるか
ここが一番お伝えしたいところです。
仲介手数料は、不動産会社にとって広告費の原資です。手数料が減れば、かけられる費用も減ります。
具体的に減るもの
- 不動産ポータルサイトの有料オプション(上位表示・写真枚数の拡張)
- プロカメラマンによる撮影
- チラシの配布枚数
- 担当者が現地に足を運ぶ回数
前に別の記事でもお伝えしましたが、掲載写真の枚数は反響数に直結します。外観1枚だけの物件と、室内を10枚以上載せた物件では、閲覧数がまったく違います。
手数料を20万円値引いてもらった結果、写真が少なく、掲載順位も下がり、売却価格が100万円下がる。こうなると本末転倒です。
「手数料無料」の仕組み
最近は「売主様の手数料は無料」と掲げる会社もあります。慈善事業ではなく、理由があります。
不動産取引では、売主側と買主側にそれぞれ不動産会社がつくのが一般的です。手数料は、それぞれが自分の依頼主から受け取ります。
ところが1社が売主と買主の両方を担当すると、両方から手数料を受け取れます。これを「両手」と呼びます。
売主の手数料を無料にする会社は、買主から受け取ることを前提にしています。つまり自社で買主を見つけることが必須になります。
ここに生じる問題
他社が「買いたいお客様がいます」と連絡してきても、その買主を通すと手数料がゼロになってしまいます。すると、
- 他社からの問い合わせに消極的になる
- 自社の顧客が見つかるまで待つ
- 結果として売却期間が延びる
こうした動きは「囲い込み」と呼ばれ、業界でも問題視されています。
手数料が無料でも、売却価格が200万円下がれば損です。目先の数十万円ではなく、いくらで売れるかで判断してください。
私たちの考え方
コアラ不動産では、手数料の値引きは原則としていません。その代わり、いただいた手数料をどう使うかを最初にご説明しています。
- 室内写真は10枚以上撮影して掲載する
- 他社からの問い合わせも制限なく受ける
- 反響がない場合、値下げの前に写真と掲載媒体を見直す
手数料を削るより、高く早く売ることのほうが、売主さまの手取りは増えます。
まとめ
- 手数料の上限は「売買価格×3%+6万円+税」。2,000万円なら約73万円
- 800万円以下の物件は、最大30万円+税まで請求できる特例がある
- 値引きが通りやすいのは、売れやすい物件と価格の高い物件
- 手数料は広告費の原資。削ると写真や掲載順位に影響が出る
- 「手数料無料」は買主から受け取る前提。囲い込みが起きやすい構造がある
- 手数料の額より、いくらで売れるかで判断する
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会社によって査定額が数百万円違う理由と、根拠のある査定を見分ける3つの質問をまとめています。
不動産の査定額はなぜ会社によって違うのか
岡山市・倉敷市で家の売却をお考えの方、手数料の使いみちも含めてご説明します。お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. 仲介手数料はいくらかかりますか?
A. 売買価格が400万円を超える場合、「売買価格×3%+6万円」に消費税を加えた額が上限です。2,000万円で売れた場合は72万円+税で79万2千円になります。これは法律で決められた上限額であり、必ずこの金額というわけではありません。
Q. 値引き交渉はしてもよいのでしょうか?
A. 聞いてみる分には問題ありません。ただし通りやすいのは、売れやすい物件や、売主と買主の両方から手数料を受け取れる場合に限られます。売りにくい物件で値引きを求めると、広告費をかけてもらえず、結果的に売却価格が下がることがあります。
Q. 手数料無料の会社に頼んだほうが得ですか?
A. 一概には言えません。売主から手数料を取らない会社は、買主から受け取る前提で動きます。そのため自社で買主を見つけることを優先し、他社が連れてきた買主を敬遠する傾向があります。結果として売却期間が延びたり、価格が下がったりすることがあります。
岡山で家を売ることをお考えの方へ
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