
「親から受け継いだ家が昭和50年代の建物。古すぎて売れないのでは」
こうしたご相談をよくいただきます。1981年5月31日以前に建築確認を受けた建物は旧耐震と呼ばれ、いまの耐震基準より前のルールで建てられています。
結論からお伝えすると、旧耐震の家も売れます。ただし、価格の決まり方が新しい家とはまったく違います。岡山市南区の実際の取引データで見てみましょう。
岡山市南区の実取引を建築年代別に並べました
国土交通省の不動産情報ライブラリから、岡山市南区で2023年〜2025年に取引された木造住宅(土地100〜400㎡)を建築年代別に集計しました。
| 建築年 | 件数 | 価格(中央値) | 土地1㎡あたり | 更地の相場との比 |
|---|---|---|---|---|
| 1980年以前(旧耐震) | 89件 | 1,100万円 | 62,857円 | 94% |
| 1982〜1990年 | 56件 | 1,250万円 | 71,919円 | 108% |
| 1991〜2000年 | 64件 | 1,750万円 | 91,458円 | 137% |
| 2001〜2010年 | 36件 | 2,400万円 | 119,805円 | 180% |
| 2011年以降 | 214件 | 3,100万円 | 222,222円 | 333% |
出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ(不動産取引価格情報)。岡山市南区・2023〜2025年・宅地(土地と建物)・木造・土地面積100〜400㎡。「土地1㎡あたり」は取引価格÷土地面積の中央値。更地の相場は同期間の宅地(土地のみ)184件の中央値66,667円/㎡。1981年築は旧耐震と新耐震が混在するため除外。2026年10月取得。

旧耐震の家は「ほぼ土地の値段」で取引されている
旧耐震の家の取引価格を土地の面積で割ると、1㎡あたり62,857円。更地の相場66,667円の94%です。
つまり建物にはほとんど値段がついておらず、解体費のぶん少し安いという水準です。木造住宅の法定耐用年数(税務上の使用年数の目安)は22年なので、築45年を超える建物が評価されにくいのは自然なことです。
旧耐震の取引件数は意外と多い
89件という件数は、2011年以降の新しい家(214件)に次いで2番目に多い数字です。古い家だから買い手がいない、ということはありません。
ただし価格の幅はとても大きく、100万円台から2,500万円まであります。同じ旧耐震でも、場所と土地の条件で価格が決まるということです。南区の地区ごとの土地相場は岡山市南区26地区の相場にまとめています。
どんな人が旧耐震の家を買うのか
旧耐震の家は、買う人にとって次の制約があります。
- 住宅ローン控除が使いにくい:原則として1982年1月1日以降に建てられた家が対象。それより前の家は耐震基準に適合する証明書などが必要
- 住宅ローンの審査が厳しくなりやすい:建物の担保評価がほぼつかない

このため、買い手は主に次のような方になります。
- 家を建てたい方:古家を解体して新築する(土地として買う)
- リフォームして住みたい方:安く買って自分好みに直す
- 賃貸に出したい投資家:最低限の修繕で貸し出す
当社は収益物件を扱う会社なので、「古い戸建てを安く買って貸したい」という投資家のお客様を多く抱えています。住む人向けに売れにくい家でも、貸す人向けなら話が進むことがあります。
解体してから売るか、そのまま売るか

「古い家は壊してから売ったほうが売れる」と考える方は多いですが、先に解体するのはおすすめしません。
| 古家付きで売る | 解体して更地で売る | |
|---|---|---|
| 費用 | かからない | 解体費を先に払う |
| 固定資産税 | 住宅用地の軽減が続く | 軽減が外れ、土地の税金が数倍に |
| 買い手 | 建てる人・直す人・貸す人 | 建てる人が中心 |
| 見た目 | 印象が悪いことがある | 土地の広さが伝わりやすい |
おすすめは、古家付きのまま売り出し、建てたい買主には「解体して引き渡し」を条件に交渉する方法です。リフォームや賃貸目的の買主の可能性を残せます。
古家付きで売る場合は、建物の不具合について売主が責任を負わない(契約不適合責任を免責にする)条件で契約するのが一般的です。
相続した旧耐震の家は、税金の特例に期限があります
相続した家が1981年5月31日以前に建てられたものなら、売却益から最大3,000万円を差し引ける特例を使える可能性があります。相続から3年目の年末までに売ることが条件です。詳しくは相続登記の義務化|岡山で空き家を相続した方の期限と手順をご覧ください。
まとめ
- 旧耐震の家も売れる。岡山市南区では3年で89件の取引があった
- 価格は土地の値段の94%。建物はほぼ評価されない
- 買い手は「建てる人・直す人・貸す人」。住宅ローン控除が使いにくい点に注意
- 先に解体しない。古家付きで売り出し、必要なら解体を条件に交渉する
- 相続した家なら3,000万円控除の期限を先に確認する
「うちの古い家はいくらになるか」は、建物ではなく土地の条件で決まります。前面道路の幅や形で価格が大きく変わるので、まずはお気軽に査定をご依頼ください。
よくあるご質問
Q. 旧耐震の家でも売れますか。
A. 売れます。岡山市南区では2023年から2025年に、1980年以前に建てられた木造住宅の取引が89件ありました。建物はほぼ評価されず、土地の値段に近い価格で取引されるのが一般的です。
Q. 売る前に解体したほうがいいですか。
A. 急いで解体する必要はありません。解体すると固定資産税の住宅用地の軽減が外れて土地の税金が数倍になるうえ、解体費を先に払うことになります。古家付きで売り出し、買主の希望に応じて解体を条件にする方法もあります。
Q. 旧耐震の家は住宅ローン控除が使えないのですか。
A. 買主が住宅ローン控除を使うには、原則として1982年1月1日以降に建てられた家であることが必要です。それより前の家は、耐震基準に適合していることの証明書などがあれば対象になります。このため、旧耐震の家は現金で買う方やリフォーム前提の方が中心になります。
岡山で家を売ることをお考えの方へ
査定から引き渡しまでの流れ、仲介手数料と税金の実額、相談の進め方を1ページにまとめています。
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