
離婚の話し合いで、いちばん揉めやすいのが「家をどうするか」です。
売るのか、どちらかが住み続けるのか。気持ちの問題も大きいのですが、実は選べる道は住宅ローンの「名義」と「残高」でほぼ決まります。
この記事では、岡山で離婚にともなって家を手放すかどうか考えている方に向けて、確認する順番と注意点を整理します。
最初に確認する3つのこと
① 家とローンの名義
登記簿上の持ち主(名義)と、ローンを借りている人が誰かを確認します。夫婦で家を買った場合、次のどれかになっていることが多いです。
| 借り方 | 中身 | 離婚後に起きやすいこと |
|---|---|---|
| 単独ローン | 夫か妻の一人が借りている | 比較的整理しやすい |
| 連帯保証 | 一人が借り、もう一人が保証人 | 離婚しても保証人のまま |
| 連帯債務・ペアローン | 二人とも借りている | 二人とも返済の責任が残る |
離婚届を出しても、ローンの契約は変わりません。保証人や連帯債務者から外れるには、金融機関の同意が必要です。夫婦の間で「あなたが払う」と決めても、金融機関に対しては効力がありません。

② ローンの残高
返済予定表かネットバンキングで残高を確認します。正確な金額は、金融機関に「○月末に一括返済した場合の金額」を聞くとわかります。
③ 家がいくらで売れるか
不動産会社に査定を依頼して、売却価格の見当をつけます。そこから仲介手数料などの費用を引いたものが手取り額です。
手取り額とローン残高を比べる方法は、住宅ローンが残っている家を売るにはで詳しくご説明しています。岡山市南区の例では、頭金なしで建てた家は築10年前後だと売っても残高とほぼトントンという試算になりました。
選べる道は大きく2つ
売って、お金で分ける
いちばんすっきりする方法です。売却代金でローンを完済し、残ったお金を財産分与として分けます。
- ローンの関係が完全に切れる
- お互いの持ち分や住む・住まないで揉めにくい
- 手取りが残高に届かない場合は、不足分をどう負担するか決める必要がある
なお、手取りが残高を下回る家は、財産分与のうえでは「プラスの財産なし」として扱われることが多いです。そのぶん、誰が不足分を負担するかが話し合いの中心になります。
どちらかが住み続ける
お子さんの学校などの事情で、片方が住み続けるケースも多くあります。ただし、次の組み合わせには注意が必要です。

「家を出た人がローンを払い続け、残った人が住む」形
よくある形ですが、払う人の収入が減ったり再婚したりして返済が止まると、住んでいる側が家を失うおそれがあります。返済が滞れば金融機関は家を競売にかけられるからです。この形を選ぶなら、公正証書(公証役場で作る、強制力のある取り決めの書面)にしておくことをおすすめします。
住み続ける人がローンも引き継ぐ場合は、その人の収入で借り換えができるかがポイントです。借り換えができれば、出ていく人はローンから外れられます。
期限と税金で気をつけること
財産分与の請求期限は離婚から5年(2026年4月以降)
民法の改正で、家庭裁判所に財産分与を求められる期間が2年から5年に延びました。2026年4月1日以降に成立した離婚が対象です。
ただ、時間がたつほど相手と連絡が取りにくくなり、家の価値も変わります。家の扱いは離婚の条件と一緒に決めておくのが安全です。

家を渡した側に税金がかかることがある
財産分与で家を受け取った側には、原則として贈与税はかかりません。注意が必要なのは渡した側です。
家を財産分与で渡すと、税金のうえではその時の価格で売ったものとみなされます。買ったときより値上がりしていれば、譲渡所得の税金がかかります。
マイホームであれば3,000万円の特別控除が使える場合がありますが、配偶者への譲渡には使えない決まりがあります。離婚が成立してから渡すかどうかで結果が変わるため、手続きの順番は税務署か税理士に確認してください。控除の条件は岡山でマイホームを売ったときの税金にまとめています。
売るなら、話し合いと並行して査定を
「話し合いがまとまってから査定」と考える方が多いのですが、実際は逆をおすすめします。
- 家の価格がわからないと、財産分与の金額が決められない
- 手取りが残高に届くかで、選べる道が変わる
- 売却には3〜6か月かかる。離婚の時期と合わせるには早めの準備が要る
査定は売ると決めていなくても受けられます。当社では、ご夫婦のどちらか一方からのご相談でもお受けしています。連絡の窓口を一本にしたい、相手と顔を合わせたくない、といったご事情もお聞かせください。
まとめ
- 家をどうするかはローンの名義と残高でほぼ決まる
- 離婚してもローンの契約は変わらない。保証人から外れるには金融機関の同意が要る
- 売ってお金で分けるのがいちばんすっきりする
- 住み続けるなら、返済が止まったときのリスクを公正証書などで手当てする
- 財産分与の期限は離婚から5年(2026年4月以降)。渡した側の税金にも注意
よくあるご質問
Q. 離婚しても、住宅ローンの連帯保証人から外れられますか。
A. 離婚しただけでは外れません。連帯保証や連帯債務は金融機関との契約なので、外すには金融機関の同意が必要です。実際には、代わりの保証人を立てるか、ローンを借り換えるか、家を売って完済するかのいずれかになることが多いです。
Q. 財産分与はいつまでに決めればいいですか。
A. 家庭裁判所に財産分与を求められる期間は、2026年4月1日以降に成立した離婚では離婚から5年以内です。それより前の離婚は2年以内のままです。家の売却には数か月かかるので、期限に余裕があっても早めに方針を決めることをおすすめします。
Q. 家を財産分与でもらうと、税金はかかりますか。
A. 受け取った側には、原則として贈与税はかかりません。注意が必要なのは渡した側で、家を時価で売ったものとみなされ、値上がりしていれば譲渡所得の税金がかかることがあります。一定の条件でマイホームの3,000万円控除が使えるため、手続きの順番は税務署か税理士に確認してください。
岡山で家を売ることをお考えの方へ
査定から引き渡しまでの流れ、仲介手数料と税金の実額、相談の進め方を1ページにまとめています。
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