
「家を売りたいけれど、住宅ローンがまだ残っている。それでも売れるのだろうか」
売却のご相談で、いちばん多いお悩みのひとつです。結論からお伝えすると、ローンが残っていても家は売れます。
決め手になるのは、「ローンの残高」と「売って手元に残るお金」のどちらが大きいかだけです。この記事では、岡山市南区の実際の土地相場を使ってこの2つを比べ、足りない場合の選択肢まで順番にご説明します。
最初に確認するのは2つの数字だけ
住宅ローンが残っている家を売れるかどうかは、次の式で決まります。
売却価格 − 売却にかかる費用 = 手取り額
手取り額 ≧ ローン残高 なら、そのまま売れます
① ローン残高の確認方法
残高は、借りたときに受け取った返済予定表か、金融機関のネットバンキングで確認できます。
売却を具体的に考え始めたら、金融機関に「○月末に一括返済した場合の金額」を聞いてください。日割りの利息や一括返済の手数料を含んだ、実際に必要な金額を教えてもらえます。手数料は金融機関や手続きの方法によって、無料から数万円まで幅があります。

② 売却価格と費用の確認方法
売却価格は、不動産会社の査定で見当をつけます。そこから差し引く主な費用は次のとおりです。
| 費用 | 目安 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 売却価格×3%+6万円(+消費税)が上限 |
| 売買契約書の印紙代 | 1万円(1,000万円超〜5,000万円以下・軽減措置適用時) |
| 抵当権抹消(銀行の担保を外す登記) | 登録免許税 土地・建物で2,000円+司法書士報酬 |
| 一括返済の手数料 | 無料〜数万円(金融機関により異なる) |
このほか、引っ越し代や、売却益が出た場合の税金がかかることがあります。マイホームの税金については岡山でマイホームを売ったときの税金で詳しくご説明しています。
岡山市南区で試算してみます
実際の数字で見てみましょう。南区・妹尾で、10年前に家を建てたケースです。
- 土地 200㎡(妹尾の取引単価 60,000円/㎡ ⇒ 1,200万円)
- 木造2階建て
- 住宅ローン 3,000万円・35年・金利0.8%・頭金なし(毎月の返済 約8.2万円)
土地の単価は、国土交通省の取引データから集計した岡山市南区26地区の相場の数字です。建物の価格は築年数に応じて仮に置いています。
| 売る時期 | 売却価格 | 費用 | 手取り | ローン残高 | 差額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 築5年 | 2,700万円 | 約99万円 | 2,601万円 | 2,621万円 | ▲20万円 |
| 築10年 | 2,300万円 | 約86万円 | 2,215万円 | 2,227万円 | ▲12万円 |
| 築15年 | 2,000万円 | 約76万円 | 1,924万円 | 1,816万円 | +108万円 |
※建物価格は仮定(築5年1,500万円・築10年1,100万円・築15年800万円)。ローン残高は元利均等返済で計算。実際の価格は査定で確認してください。
築10年で売ると、手取り2,215万円に対して残高は2,227万円です。ほぼトントンで、わずかに足りません。

岡山の郊外で「トントン」になりやすい理由
岡山市の郊外は土地が比較的安いため、家の価格のうち建物が占める割合が大きくなります。今回の例でも、新築時は土地より建物のほうが高い計算です。
建物は年数とともに価値が下がります。木造住宅の法定耐用年数(税務上の使用年数の目安)は22年で、築20年を超えると売却価格は土地の値段に近づいていきます。
一方でローンは、返済の初めのうちほど利息の割合が大きく、元金がなかなか減りません。頭金なしで建てた家は、築10年前後まで「建物の値下がり」と「残高の減り方」がほぼ同じペースになりやすいのです。
逆に、頭金を入れていた方や、土地の値段が高い地区の方は、早い段階から手取りが残高を上回ることが多くなります。
結果は3つのパターンに分かれます
パターン1:手取りが残高を上回る
いちばんシンプルなケースです。売却代金でローンを返し、残ったお金が手元に入ります。住み替え先の頭金にも使えます。
パターン2:足りないが、貯金で埋められる
差額を自己資金で補えば、通常どおり売却できます。上の試算の築10年のように差額が数十万円なら、このパターンに入る方が多いと思います。
差額を小さくするには、売り出し価格の設定と売る時期が大切です。急いで値下げすると、その分だけ持ち出しが増えます。
パターン3:埋められない
差額が大きく自己資金で補えない場合は、次の方法を検討します。
- 住み替えローン:新しい家のローンに、今の家の不足分を上乗せして借りる方法です。借入額が物件価格を上回るため、審査は通常より厳しくなります。
- 任意売却:金融機関の同意を得て、残高より安い価格で売る方法です。残った借金は売却後に分割で返していきます。返済が難しくなってから検討するもので、信用情報への影響もあります。詳しくは岡山の任意売却について知っておくことをご覧ください。
- 売る時期を延ばす:急ぐ理由がなければ、数年返済を続けて残高が減ってから売るのも選択肢です。
返済は売却が終わるまで止めないでください。滞納すると任意売却や競売に進むおそれがあり、選べる方法が一気に狭まります。
ローン完済と引き渡しは同じ日に行います

住宅ローンが残っている家の売却は、次の流れで進みます。
- 査定を受けて手取り額を出す
- 金融機関に一括返済額を確認する
- 売り出し・買主との売買契約
- 金融機関に一括返済を申し出る(決済日の1か月前が目安)
- 決済日:買主の代金でローンを完済し、抵当権を外して引き渡し
決済日には、金融機関・司法書士・買主がそろって、代金の受け取り、ローンの返済、抵当権の抹消を一度に済ませます。売主が先にローンを返しておく必要はありません。
住み替えの場合は、新居の購入とどちらを先にするかで資金繰りが変わります。住み替えの順番|売り先行と買い先行もあわせてご覧ください。
まとめ
- 住宅ローンが残っていても家は売れます
- 判断は「手取り額」と「ローン残高」の比較だけ。まず2つの数字を出す
- 岡山の郊外で頭金なしの場合、築10年前後はトントンになりやすい
- 足りない場合は、自己資金・住み替えローン・任意売却・時期の見直しの順に検討
- 返済は売却が終わるまで止めない
「うちはどのパターンだろう」と思われたら、ローンの返済予定表をお手元に置いてご相談ください。査定額と並べて、手取りがいくら残るかを一緒に計算します。
よくあるご質問
Q. 住宅ローンが残っていても家は売れますか。
A. 売れます。売却代金でローンを一括返済し、同じ日に抵当権(銀行が家につけている担保の権利)を外して買主に引き渡すのが一般的な流れです。ただし売却代金と手持ちのお金で残高を返しきれることが前提になります。
Q. ローンの残高はどこで確認できますか。
A. 借入時に受け取った返済予定表か、金融機関のネットバンキングで確認できます。売却を具体的に考え始めたら、金融機関に「○月末に一括返済した場合の金額」を問い合わせてください。利息の日割り分や手数料を含めた正確な金額がわかります。
Q. 売却額がローン残高に届かない場合はどうなりますか。
A. 差額を自己資金で埋めれば売却できます。埋められない場合は、住み替え先のローンに上乗せする方法や、金融機関の同意を得て売る任意売却という方法があります。どれが使えるかは状況で変わるため、まず残高と査定額を並べることから始めてください。
岡山で家を売ることをお考えの方へ
査定から引き渡しまでの流れ、仲介手数料と税金の実額、相談の進め方を1ページにまとめています。
▶ 岡山で家を売る|流れ・費用・税金
査定は無料です。売ると決めていない段階のご相談も歓迎します。

