収益物件を探していると、「この物件、買付を入れますか?」と聞かれる場面が来ます。買付証明書(買付申込書)は、購入の意思を売主側に伝える最初の書面です。
この記事では、岡山で収益物件を買う方に向けて、買付証明書に何を書き、いつ出すのかを実務に即して整理します。
買付証明書とは何か
「この物件を、この条件で買いたいです」という意思表示を書面にしたものです。売買契約書とは別物で、この段階ではまだ契約ではありません。
法的な効力
買付証明書には、原則として法的な拘束力はないとされています。買主が撤回することも、売主が断ることもできます。
ただし実務上の重みは軽くありません。売主側は買付を受けて他の検討を止めることがありますし、不動産会社は買付の順番で優先度を判断します。安易に出したり撤回したりすると、次の物件情報が回ってこなくなります。
なぜ書面にするのか
口頭で「買いたい」と言うだけでは、条件が曖昧なまま進んでしまいます。価格、引き渡し時期、融資の前提を明記することで、売主が判断できる状態になります。
買付証明書に書く項目
書式は不動産会社が用意します。記載する主な項目は次のとおりです。
①購入希望価格
最も重要な項目です。売出価格そのままで出すのか、指値(値引き交渉)を入れるのかを決めます。
収益物件では指値が一般的ですが、根拠のない指値は嫌われます。「修繕が必要な箇所がある」「近隣の取引事例と比べて」といった理由を添えると、売主も検討しやすくなります。
②手付金の額
売買代金の5〜10%程度が一般的です。手付金が多いほど買主の本気度が伝わり、売主から見た確実性が上がります。
③契約希望日・決済(引き渡し)希望日
契約は買付から1〜2週間後、決済は契約から1〜2か月後というのが一般的な流れです。融資を使う場合は、審査期間を考慮した日程にします。
④融資利用の有無と融資特約
金融機関からの借入を前提とする場合、その旨と融資特約を記載します。融資特約とは、審査が通らなかった場合に契約を白紙に戻し、手付金を返還してもらう条項です。
期限(例:契約から45日以内)と、対象となる金融機関・借入予定額を明記します。この特約がないと、融資が下りなくても手付金を失う可能性があります。
⑤その他の条件
- 現況有姿での引き渡しを承諾するか
- 設備の修補を求めるか
- 賃貸借契約の承継について
- 敷金の引き継ぎ方法
⑥有効期限
買付証明書には有効期限を設けるのが一般的です。1〜2週間程度に設定し、その間に売主の回答を求めます。
出すタイミングの判断
早すぎても遅すぎても困ることになります。
出す前に済ませておくこと
- 現地を見る(遠方の場合、最低限オンラインでの確認)
- レントロールと修繕履歴を確認する
- 収支の計算をする(返済後に手残りが出るか)
- 資金の目処を立てる(自己資金と借入の見込み)
特に4つ目が重要です。融資が引ける見込みがまったくない状態で買付を出すと、後で撤回することになります。事前に金融機関へ相談し、おおよその可否を確認しておいてください。
迷っている間に決まることがある
条件の良い収益物件は、公開から数日で買付が入ることがあります。特に岡山では、県外の投資家からも問い合わせが入るため、地元の方だけが競合相手とは限りません。
「持ち帰って一週間考える」では間に合わないことがあるのが実情です。だからこそ、探し始めた段階で購入基準(エリア・価格帯・最低利回り・築年数)を決めておくことが役に立ちます。基準が決まっていれば、その場で判断できます。
一番手を取るために
買付は先着順が原則ですが、順番だけで決まるわけではありません。売主は「確実に決済まで進む買主」を選びます。
売主が見ているポイント
- 価格:指値の額と根拠
- 融資の確実性:現金なら最強。融資でも事前審査が通っていれば強い
- 決済までの期間:短いほど売主には有利
- 条件の少なさ:注文が多いほど嫌がられる
事前審査を先に通しておく
最も効果があるのがこれです。金融機関の事前審査(仮審査)を通しておけば、融資の不確実性が大きく下がります。同じ価格の買付が2本並んだとき、事前審査済みのほうが選ばれます。
物件が決まる前でも、年収や自己資金をもとに「いくらまで借りられそうか」を金融機関に相談しておくことは可能です。
指値の出し方
大幅な指値は通らないことが多く、印象も悪くなります。5%程度までを目安に、根拠を添えて出すのが現実的です。
逆に、どうしても欲しい物件なら満額で出すという判断もあります。数十万円の指値にこだわって物件を逃すのは、長い目で見て損になることがあります。
出した後の流れ
- 売主が検討し、承諾または条件の再提示
- 条件が合えば、売買契約の日程を調整
- 重要事項説明を受け、売買契約を締結(手付金を支払う)
- 金融機関に本審査を申し込む
- 融資承認後、決済・引き渡し
買付から引き渡しまで、融資を使う場合で1.5〜2か月程度が目安です。
まとめ
- 買付証明書は購入意思を伝える書面。法的拘束力は原則ないが、実務上の信用に関わる
- 記載項目は、価格・手付金・契約と決済の希望日・融資特約・その他条件・有効期限
- 融資特約がないと、審査に落ちても手付金を失う可能性がある
- 出す前に、現地確認・収支計算・資金の目処を済ませておく
- 一番手を取るには事前審査を先に通しておくのが最も効果的
- 指値は5%程度を目安に、根拠を添えて出す
コアラ不動産では、買付を出す前の収支計算や、金融機関への相談の進め方もご案内しています。判断に迷う段階でお声がけください。
融資の準備を先に進めたい方へ
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現地で見るべきポイント
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よくある質問
Q. 買付証明書に法的な拘束力はありますか?
A. 原則としてありません。買主・売主のいずれも、この段階では契約に縛られないのが一般的な理解です。ただし正当な理由なく撤回を繰り返すと、その不動産会社からの信用を失い、次の物件情報が来なくなります。
Q. 買付証明書はいつ出せばいいですか?
A. 現地を見て、収支の計算が合い、資金の目処が立った段階です。良い物件は数日で決まることもあるため、迷っている間に一番手を取られることがあります。逆に、資金の目処が立たないまま出すのは避けてください。
Q. 一番手なら必ず買えますか?
A. 必ずではありません。売主は条件で選ぶため、二番手が価格や条件で上回れば逆転することがあります。ただし多くの取引で一番手が優先されるため、先に出す意味は大きいです。
Q. 融資特約は付けたほうがいいですか?
A. 付けるべきです。融資が下りなかった場合に契約を白紙に戻せる条項で、これがないと手付金を失う可能性があります。ただし特約が付くと売主から見た確実性は下がるため、条件面で調整が必要になることもあります。




