空き家の管理サービスは「月1回の見回り」と説明されることが多いのですが、具体的に何を見ているのかはあまり知られていません。
この記事では、実際の点検項目を1つずつ公開します。ご自身で見回る方はそのままチェックリストとして使えますし、業者に依頼する際の比較材料にもなります。
なぜ月1回なのか
頻度には根拠があります。人が住まない家で最も早く問題が出るのが水回りだからです。
封水は1〜2か月で蒸発する
排水口には「封水」という水が溜まっていて、下水の臭いや虫が上がってくるのを防いでいます。使用されないと、この水はおおむね1〜2か月で蒸発します。
封水が切れると、下水の臭いが家中に広がり、排水管を通って虫が侵入します。月1回の通水は、この一点だけでも十分な理由になります。
湿気は数週間で影響が出る
締め切った家は湿気がこもります。特に岡山の梅雨から夏にかけては、押入れや北側の部屋に黴が出やすくなります。月1回でも窓を開けて風を通すかどうかで、数年後の状態が大きく変わります。
外まわりの点検項目
まず建物の外側を1周します。ここは建物の寿命に直結する部分です。
屋根
- 瓦のずれ・割れ・欠落がないか(地上から見上げて確認)
- 棟(屋根の頂上部分)の漆喰が崩れていないか
- 雨樋に落ち葉や土が詰まっていないか
- 雨樋の継ぎ目が外れていないか
雨樋の詰まりは軽視されがちですが、あふれた水が外壁を伝って劣化を早めます。詰まりは早期に見つかれば安価に直せます。
外壁
- ひび割れ(幅0.3mm以上は要注意)
- 塗装の剥がれ、チョーキング(触ると白い粉がつく状態)
- コーキングの切れ(サイディングの継ぎ目)
- 蔦(つた)が張っていないか
基礎まわり
- 基礎のひび割れ
- 床下換気口が塞がれていないか
- シロアリの蟻道(土の筋)がないか
庭・敷地
- 草の伸び具合(隣地にはみ出していないか)
- 樹木の枝が越境していないか
- 不法投棄されていないか
- 塀・門扉のぐらつき
草木の越境は、近隣トラブルの最も多い原因です。岡山の気候では、春から秋にかけて草は驚くほど早く伸びます。年に2〜3回の草刈りは見込んでおいてください。
周辺からの見え方
- 郵便物・チラシがポストに溜まっていないか
- 外から見て「放置されている」印象がないか
ポストがあふれた家は、空き巣に狙われやすくなります。また、市町村が「管理不全」を判断する材料にもなります。
室内の点検項目
次に室内に入ります。順番を決めておくと見落としが減ります。
入ってすぐ確認すること
- 臭い:黴臭さ、下水臭、動物の臭い。臭いは異常の最初のサインです
- 玄関まわりに虫の死骸がないか
- 侵入の痕跡(窓の破損、施錠の異常)
通水(すべての水栓)
キッチン、洗面、浴室、トイレ、洗濯機の水栓をすべて開けて、1〜2分ずつ流します。同時に次を確認します。
- 水の色(赤茶色なら配管のサビ)
- 排水の流れ(詰まりの有無)
- 配管まわりの水漏れ
- トイレは必ず数回流して封水を補充
各部屋
- 天井のシミ(雨漏りのサイン。前回からの変化を必ず見る)
- 壁・押入れの黴
- 床のきしみ・沈み
- 窓の結露跡、サッシの動き
- 畳の状態
換気
点検の間、窓を開けて風を通します。対角線上の2か所を開けると空気が流れます。作業の最初に開け、帰る前に閉めるのが効率的です。
ブレーカーとガス
- 電気を使う場合、ブレーカーが落ちていないか
- ガスの元栓が閉まっているか
報告書に何を残すか
点検は「やった」だけでは意味が薄く、記録として残ることで価値が出ます。
写真を毎回同じ構図で撮る
外観4面、玄関、各部屋、水回りを、毎回同じ位置から撮影します。同じ構図だと前月との違いが一目で分かります。天井のシミが広がった、外壁のひびが伸びた、といった変化は比較して初めて気づけます。
報告に含める内容
- 訪問日時と天候
- 実施した作業(通水・換気・草取りなど)
- 写真(外観・室内・水回り)
- 前回からの変化
- 対応が必要と思われる箇所と、その緊急度
緊急度を分けて伝える
すべてを同じ重さで報告されると、オーナー側が判断できません。次のように分けると動きやすくなります。
- すぐ対応:雨漏り、水漏れ、破損した窓など
- 今年中に検討:雨樋の詰まり、コーキングの切れなど
- 経過観察:軽微なひび、草の伸びなど
自分で見回る場合のコツ
近くにお住まいで、ご自身で管理される場合のポイントです。
- 日を決める:「毎月第2日曜」のように固定すると続きます
- チェックリストを紙に印刷して持っていく:記憶に頼ると必ず抜けます
- スマホで写真を撮り、月ごとのフォルダに入れる
- 台風・大雨・大雪の後は臨時で見に行く:被害は直後に見つけるほど安く直せます
まとめ
- 月1回が目安。理由は排水口の封水が1〜2か月で蒸発するため
- 外まわりは屋根・外壁・基礎・庭・ポストを確認。草木の越境は近隣トラブルの最多原因
- 室内は臭い→通水→各部屋→換気の順。天井のシミは前回との比較で見る
- 写真は毎回同じ構図で撮る。変化に気づけるのは比較できるときだけ
- 報告は緊急度を3段階に分けると判断しやすい
コアラ不動産では、岡山市内を中心に空き家の巡回管理を承っています。ここに挙げた項目を毎月確認し、写真付きの報告書をお送りしています。対応エリア外の場合もご相談ください。
空き家の管理を任せたい方へ
月1回の巡回で換気・通水・外観点検を行い、写真付きで報告します。岡山市内対応、それ以外は要相談。
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実家が空き家になったばかりの方へ
最初の3か月にやるべき手続きを時系列でまとめています。
岡山で実家が空き家になったら|最初の3か月にやるべきこと
よくある質問
Q. 空き家の見回りはどのくらいの頻度が必要ですか?
A. 月1回が目安です。通水は封水が蒸発する前に行う必要があり、1〜2か月あけると排水口から臭いや虫が上がってきます。台風や大雨、大雪の後は臨時で確認できると理想的です。
Q. 見回りは自分でやってもいいですか?
A. 近くにお住まいなら十分可能です。この記事の点検項目をそのまま使ってください。重要なのは頻度を保つことと、写真で記録を残すことです。遠方の場合は続けるのが難しいため、業者の利用を検討してください。
Q. 報告書には何が載りますか?
A. コアラ不動産では、当日の作業内容、外観・室内・水回りの写真、前回からの変化、対応が必要と思われる箇所をまとめてお送りしています。写真があると、離れていても家の状態を把握できます。
Q. 見回りで異常が見つかったらどうなりますか?
A. まず写真付きでご連絡し、緊急性を含めてご説明します。修理が必要な場合は、地元の業者の見積もりをお取りすることも可能です。判断はオーナー様にしていただきます。




