親が施設に入った、あるいは亡くなって、岡山の実家が空き家になった。多くの方にとって初めての経験で、何から手をつければいいか分からないという声をよくいただきます。
この記事では、空き家になってから最初の3か月にやるべきことを時系列で整理します。ここを押さえておけば、後の選択肢が狭まりません。
最初の1か月にやること
急ぐ必要があるのは、放置すると損失や制約につながることです。
①名義を確認する
まず登記簿(登記事項証明書)を取得して、今の名義が誰になっているかを確認してください。法務局の窓口かオンラインで取得できます。
故人の名義のままだと、売ることも、貸すことも、担保に入れることもできません。祖父母の代から名義が変わっていないケースも珍しくなく、その場合は相続人が十数人に広がっていることもあります。
2024年4月から相続登記は義務化されました。相続を知った日から3年以内に申請が必要で、正当な理由なく怠ると過料の対象になります。過去の未登記分も対象です。
②火災保険を確認する
見落とされやすいのがここです。火災保険の契約は「人が住んでいる住宅」を前提としていることが多く、空き家になると契約条件が変わるか、継続できない場合があります。
保険会社に「空き家になった」と連絡し、そのまま継続できるか、空き家向けの契約に切り替えが必要かを確認してください。無保険の期間が生まれると、火災や台風の被害を自己負担することになります。
③ライフラインの扱いを決める
- 水道:残すことをおすすめします。掃除、庭の水やり、トイレの封水補充に必要です
- 電気:残す方が多数です。換気扇を回す、照明を点けて防犯性を保つといった用途があります
- ガス:使わないなら止めて構いません
基本料金は月に数千円程度です。止めることで家の傷みが早まるほうが、結果的に高くつきます。
④郵便物を止める
ポストに郵便物が溜まっている家は、外から見て「留守」だと分かります。郵便局で転送届を出し、実際に住んでいる場所へ届くようにしてください。
2か月目にやること
落ち着いたら、家の中と権利関係を整理します。
⑤家の中を確認して整理を始める
まずは全体を見て回り、次を確認します。
- 雨漏りの跡はないか(天井のシミ、押入れの黴)
- 水回りの詰まり・漏れはないか
- シロアリの痕跡はないか(床下の木くず、羽アリ)
- 貴重品・権利証・保険証券・通帳がないか
権利証や契約書類は、後の手続きで必要になります。捨てる前に必ず中身を確認してください。
⑥相続人と方針を話す
相続人が複数いる場合、早い段階で方向性を共有しておくことが大切です。「売る」「誰かが使う」「貸す」「しばらく持つ」のどれを目指すのかです。
ここを曖昧にしたまま数年が過ぎると、相続人がさらに亡くなって権利者が増え、話し合いが進まなくなります。人数が少ないうちに決めるのが鉄則です。
⑦固定資産税の通知先を変える
納税通知書は毎年4〜5月に届きます。故人宛のままだと届かず、滞納になることがあります。市役所(岡山市なら資産税課)に相続人代表者の届出を行ってください。
3か月目にやること
ここから、家をどうするかの判断に入ります。
⑧管理の仕組みを作る
家は人が住まないと急速に傷みます。換気されず湿気がこもり、水回りの封水が蒸発して下水の臭いと虫が上がってきます。
目安として月1回の換気・通水・郵便物の確認が必要です。近くに住んでいれば自分で行けますが、遠方の場合は現実的に続きません。
県外や市外にお住まいの場合、空き家管理サービスを利用する方法があります。定期的に訪問し、換気・通水・外観の点検を行って報告するサービスです。
⑨売る・貸す・持つの判断材料を集める
判断のために、次の情報を集めておきます。
- 売った場合いくらか(不動産会社の査定。複数社に依頼すると幅が分かります)
- 貸せる状態にするのにいくらかかるか(リフォーム費用の概算)
- 貸した場合の家賃相場(周辺の賃貸募集を検索)
- 持ち続けた場合の年間コスト(固定資産税+保険+管理費用)
この4つが揃うと、感情ではなく数字で判断できるようになります。
⑩「特定空家」にしない
管理が行き届かない空き家は、市町村から「特定空家」または「管理不全空家」に指定されることがあります。指定されると、住宅用地の特例が外れて土地の固定資産税が4倍以上になる可能性があります。
指定の目安は、建物が倒壊しそう、著しく衛生上有害、著しく景観を損なう、周辺の生活環境を害しているといった状態です。定期的に管理していれば、まず該当しません。
やってはいけないこと
とりあえず放置する
最も多く、最も損をするパターンです。放置している間に建物は傷み、相続人は増え、固定資産税と保険料だけが出ていきます。3年後に売ろうとしたとき、価格は確実に下がっています。
急いで解体する
逆に、慌てて建物を壊すのも避けてください。建物を解体すると住宅用地の特例が外れ、翌年から土地の固定資産税が上がります。売却先が決まってから解体するか、解体を条件に売却するほうが有利なことが多くあります。
1社の査定だけで決める
収益物件でも実家でも、査定額は会社によって差が出ます。最低2〜3社に依頼して、幅と根拠を聞いてください。
まとめ
- 1か月目:名義の確認、火災保険の確認、ライフラインの判断(水道・電気は残す)、郵便の転送
- 2か月目:家の中の確認と書類の回収、相続人との方針共有、固定資産税の通知先変更
- 3か月目:管理の仕組みづくり、売る・貸す・持つの判断材料集め
- 相続登記は2024年4月から義務化。3年以内に申請が必要
- 放置して「特定空家」に指定されると土地の固定資産税が4倍以上になる可能性がある
- 建物の解体を急がない。更地にすると翌年から税金が上がる
コアラ不動産では、岡山市内を中心に空き家の管理と、売却・活用のご相談を承っています。「まだどうするか決めていない」という段階でも構いませんので、お気軽にご相談ください。
空き家の管理を任せたい方へ
月1回の巡回で換気・通水・外観点検を行い、写真付きで報告します。岡山市内対応、それ以外は要相談。
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よくある質問
Q. 実家が空き家になったら、最初に何をすればいいですか?
A. まず登記簿で名義を確認してください。故人の名義のままでは売ることも貸すことも担保に入れることもできません。並行して、電気・水道を止めるかどうかの判断と、火災保険が空き家でも有効かの確認を進めます。
Q. 電気と水道は止めたほうがいいですか?
A. 水道は残しておくことをおすすめします。掃除や庭の水やり、換気時の使用に必要です。電気も換気扇や照明のために残す方が多くいます。ガスは使わないなら止めて問題ありません。
Q. 空き家にしておくと固定資産税は上がりますか?
A. 通常は変わりません。ただし管理が行き届かず「特定空家」や「管理不全空家」に指定されると、住宅用地の特例が外れ、土地の固定資産税が4倍以上になる可能性があります。放置しないことが重要です。
Q. 相続登記はいつまでにすればいいですか?
A. 2024年4月から義務化され、相続を知った日から3年以内に申請する必要があります。正当な理由なく怠ると過料の対象になります。過去に相続した未登記の不動産も対象です。




