岡山で相続した不動産を売却するには多くのステップがあります。全体像を把握して、一つひとつ確実に進めましょう。
相続不動産売却の全手順
STEP 1:相続人の確定(被相続人の戸籍謄本・除籍謄本を収集)
STEP 2:遺産分割協議(全相続人で合意→遺産分割協議書作成)
STEP 3:相続登記(法務局に申請・2024年から3年以内の登記が義務化)
STEP 4:不動産査定(複数社に依頼して売り出し価格を決定)
STEP 5:売り出し・購入者探し(媒介契約→広告→内覧)
STEP 6:売買契約・決済・引き渡し
STEP 7:確定申告(空き家特例・取得費加算特例の適用確認)
岡山の相続不動産売却については岡山の収益物件投資ガイドをご覧ください。
手順ごとに必要な書類と費用
相続した不動産の売却は、通常の売却より手続きが多くなります。段階ごとに整理します。
①相続人と財産を確定する
まず誰が相続人かを確定させます。必要になるのは次の書類です。
- 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本・住民票
- 不動産の登記事項証明書・固定資産評価証明書
戸籍は本籍地の市町村役場で取得します。転籍している場合は複数の役場に請求が必要で、ここで1〜2か月かかることがあります。早めに着手してください。
②遺産分割協議
相続人全員で分け方を決め、遺産分割協議書を作成します。全員の実印と印鑑証明書が必要です。
売却が前提なら、次のいずれかの形にしておくと手続きが進めやすくなります。
- 代表者1人の名義にする:手続きが最も簡単。売却代金を後で分けます
- 相続人全員の共有にする:売却時に全員の署名・押印が必要になり、手間が増えます
遠方に住む相続人がいる場合、共有にすると契約や決済のたびに全員の都合を合わせることになります。代表者名義にしたほうが実務は楽です。
③相続登記(名義変更)
これを済ませないと売却できません。2024年4月から義務化され、相続を知った日から3年以内の申請が必要です。
- 登録免許税:固定資産評価額の0.4%
- 司法書士報酬:おおむね5〜15万円程度
自分で申請することもできますが、相続関係が複雑な場合は司法書士に依頼するほうが確実です。
④査定を取る
複数社に依頼して、金額の幅と根拠を確認します。1社だけで決めないでください。査定額は会社によって差が出ます。
この段階で、次のことも確認しておきます。
- 境界が確定しているか(未確定なら測量が必要。費用は数十万円かかることがあります)
- 建物を残したまま売るか、解体して更地にするか
- 家財や残置物の処分をどうするか
⑤売却活動と契約
媒介契約を結び、募集を開始します。買主が決まったら売買契約を締結し、手付金を受け取ります。
- 仲介手数料:売買価格の3%+6万円+消費税が上限
- 印紙税:契約金額に応じて数千円〜数万円
⑥引き渡しと精算
- 残代金の受領と所有権移転登記
- 固定資産税の日割り精算
- 抵当権が残っていれば抹消登記
相続不動産の売却でかかる税金
譲渡所得税
売却益に対して課税されます。相続で取得した不動産は、被相続人が取得した日を引き継ぐため、多くの場合は長期譲渡(税率約20%)になります。
取得費が分からない場合、売却価格の5%を取得費とみなす計算になります。これだと売却額のほとんどが利益扱いになるため、購入時の契約書が残っていないか必ず探してください。
取得費加算の特例(3年10か月以内)
相続税を納めた方が、相続開始から3年10か月以内に売却すると、納めた相続税の一部を取得費に加算できます。譲渡所得が減るため、税負担が軽くなります。
空き家の3,000万円特別控除
被相続人が一人で住んでいた家を相続し、一定の要件を満たして売却する場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度があります。
主な要件は次のとおりです。
- 1981年5月31日以前に建築された家屋であること
- 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
- 耐震基準を満たすようリフォームするか、建物を取り壊して売ること
- 相続の時から売却まで、事業・貸付・居住に使っていないこと
要件が細かいため、該当しそうなら早めに税理士か税務署に確認してください。控除額が大きいため、影響は小さくありません。
3年以内に動いたほうがいい理由
相続不動産の売却には、期限のある制度が複数あります。
- 相続登記の義務:3年以内(怠ると過料の対象)
- 空き家の3,000万円特別控除:おおむね3年以内
- 取得費加算の特例:3年10か月以内
加えて、放置している間も建物は傷み、固定資産税と維持費は出続けます。「まだ決められない」まま3年が過ぎると、使えた制度を失うことになります。
岡山で売る場合の実務的な注意
境界の未確定が多い
古い住宅地や農村部では、境界が確定していないケースが珍しくありません。測量には時間も費用もかかるため、売却を決めたら早めに確認してください。
解体を急がない
更地にすると住宅用地の特例が外れ、翌年から土地の固定資産税が上がります。また前述の3,000万円特別控除では、解体して売ることが要件になる場合もあります。解体の要否は、控除の適用可否とセットで判断してください。
農地は手続きが別
相続した土地に農地が含まれる場合、農業委員会への届出が必要です。売却先や用途にも制限があるため、通常の宅地とは進め方が変わります。
空き家をどうするか迷っている方へ
実家が空き家になったときに最初の3か月でやるべきことをまとめています。
岡山で実家が空き家になったら|最初の3か月にやるべきこと
売るまでの間の管理
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よくある質問
Q. 全部で何ヶ月かかりますか?
A. 最短で3〜6ヶ月、トラブルがあれば1〜2年かかる場合もあります。早めに動き出すことが重要です。
Q. 相続登記と売却を同時に進められますか?
A. 相続登記が完了してからでないと売買契約ができません。登記を優先して進めましょう。


