岡山で収益物件を検討していると、「アパートとマンション、どちらがいいのか」という質問をよくいただきます。同じ賃貸経営でも、建物の構造が違えば収支の組み立て方も、必要な資金も、かかる手間も変わってきます。
この記事では、岡山でマンション経営を考える方に向けて、アパート経営との違いを整理しながら、収支をどう見ればいいかをお伝えします。
マンション経営とアパート経営の構造的な違い
まず押さえておきたいのが、両者は「建物の構造」が違うということです。ここから、ほぼすべての違いが生まれます。
構造と耐用年数
一般的にアパートは木造または軽量鉄骨造、マンションは鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)を指します。法定耐用年数は木造が22年、鉄骨造が19〜34年、RC造が47年です。
この差が効いてくるのが融資期間です。金融機関は残存耐用年数を融資期間の目安にすることが多く、耐用年数が長いRC造のほうが長期の借入をしやすくなります。返済期間が長くなれば毎月の返済額は下がり、手元に残るお金(キャッシュフロー)は厚くなります。
建築コストと物件価格
一方で、RC造は建築コストが高くなります。同じ床面積でも木造の1.5〜2倍程度かかるのが一般的です。そのため物件価格も高くなり、結果として表面利回りはアパートより低くなる傾向があります。
岡山の市場でも、木造アパートの表面利回りが8〜12%程度の物件が多いのに対し、RC造マンションは6〜9%程度に収まることが多くなります。
遮音性と入居者層
RC造は遮音性に優れるため、音を気にする入居者から選ばれやすくなります。単身者だけでなく、ファミリー層や、在宅で仕事をする方にも訴求できます。木造アパートは家賃を抑えられる分、価格重視の層が中心になります。
収支の考え方はどう変わるか
表面利回りだけで比べると、アパートのほうが常に有利に見えます。しかし実際の手残りを計算すると、順位が入れ替わることがあります。
①減価償却の効き方
木造は耐用年数が短いため、1年あたりの減価償却費が大きくなります。帳簿上の経費が増えるので、所得税を抑える効果は木造のほうが高くなります。
ただし償却が終わった後は経費が急に減り、税負担が重くなります。これを「デッドクロス」と呼びます。木造アパートは償却が切れる時期を最初から想定しておく必要があります。RC造は47年かけてゆっくり償却するため、この落差が緩やかです。
②修繕費のかかり方
アパートは1戸ごとの原状回復や設備交換が中心で、比較的小さな支出が継続的に発生します。マンションは12〜15年周期で外壁塗装・屋上防水といったまとまった修繕が発生します。
一棟マンションを買う場合、この大規模修繕費を家賃から積み立てておかないと、いざというときに手が出せなくなります。購入前に「前回の大規模修繕はいつか」「次はいつ来るか」を必ず確認してください。
③空室が出たときの影響
戸数が少ないほど、1戸の空室が収支に与える影響は大きくなります。6戸のアパートで1戸空けば収入は約17%減りますが、20戸のマンションなら5%です。戸数が多いほど収入は安定します。
岡山でマンション経営を選ぶ場合の判断軸
岡山という市場の特性を踏まえると、判断のポイントは次のようになります。
立地の条件が厳しくなる
物件価格が高い分、空室が出たときの痛手も大きくなります。したがって賃貸需要が確実に読めるエリアに限定することが前提になります。岡山市であれば、岡山駅周辺、大学や大きな病院の近く、主要な幹線道路沿いなどが候補になります。
一方、人口が減少している地域でRC造の一棟マンションを持つのはリスクが高くなります。利回りが高く見えても、長期で埋め続けられるかを慎重に見てください。
駐車場の確保は岡山では必須
岡山は車社会です。マンションであっても、1戸あたり1台分の駐車場が確保できているかは入居率に直結します。都市部の感覚で「駅が近いから駐車場は不要」と判断すると、想定より苦戦することがあります。
区分マンションという選択肢
一棟が難しい場合、区分マンション(1室単位)から始める方法もあります。投資額を抑えられ、管理組合が建物全体を管理してくれるため手間も少なくなります。
ただし1室が空けば収入はゼロになり、管理費・修繕積立金は払い続けることになります。複数戸に分散するまでは収入が不安定という点は理解しておく必要があります。
どちらが向いているかの整理
ここまでを踏まえて、向き不向きを整理します。
マンション経営が向いている方
- 自己資金に余裕があり、長期保有を前提にできる
- 年収が高く、長期の融資を引ける属性がある
- 短期の利回りより、安定した稼働と資産性を重視する
- 大規模修繕に備えた資金計画を立てられる
アパート経営が向いている方
- 投資額を抑えて始めたい
- 利回りを重視し、回収を早めたい
- 土地値の安いエリアで規模を広げていきたい
- 減価償却による節税効果を早く得たい
岡山は土地値が比較的安いため、同じ予算ならアパートのほうが選択肢が広がります。実際、当社にご相談いただく方も1棟目はアパートや戸建てから入り、規模を広げる中でマンションを検討されるケースが多くなっています。
まとめ
- マンション(RC造)は耐用年数47年。融資期間を長く取りやすく、キャッシュフローが安定しやすい
- その分、物件価格が高く表面利回りはアパートより低くなる
- 木造は減価償却が大きいが、償却切れ(デッドクロス)を最初から想定しておく
- マンションは12〜15年周期の大規模修繕がまとまった支出になる。修繕履歴の確認は必須
- 岡山では駐車場の確保が構造を問わず入居率を左右する
どちらが正解ということはなく、資金・属性・目標によって答えは変わります。判断に迷ったら、実際の物件を並べて収支を比べてみるのが一番わかりやすい方法です。
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よくある質問
Q. 岡山でマンション経営とアパート経営、どちらが有利ですか?
A. 一概には言えません。自己資金が厚く長期保有を前提にできるならマンション、投資額を抑えて早く回収したいならアパートが向きます。岡山は土地値が比較的安いため、同じ予算でもアパートのほうが選択肢が広くなる傾向があります。
Q. マンション経営の耐用年数は何年ですか?
A. 鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年です。木造アパートの22年と比べて長く、その分だけ融資期間を長く取れる可能性があります。ただし築年数が経過している物件では、残存耐用年数によって融資期間が制限されます。
Q. 岡山で一棟マンションはいくらから買えますか?
A. 規模と立地によりますが、岡山市内の中古一棟マンションで数千万円台から1億円を超えるものまで幅があります。区分マンション(1室単位)であれば数百万円台から始められるため、初めての方には区分から検討する方もいます。
Q. 大規模修繕の費用はどのくらい見ておくべきですか?
A. 一棟マンションでは12〜15年周期で外壁・防水を中心とした大規模修繕が必要になります。戸数や規模によりますが、家賃収入の一部を毎月積み立てておくことが前提になります。購入前に修繕履歴を必ず確認してください。




