収益物件を買いたいけれど、投資ローンの審査が通らない。あるいは、すでに持っている不動産を活かして資金を作りたい。そうしたときの選択肢が「不動産担保ローン」です。
ただし、便利に見える一方でリスクもはっきりしています。この記事では、岡山で不動産担保ローンを検討する方に向けて、使いどころと注意点を整理します。
不動産担保ローンとは何か
不動産担保ローンとは、すでに所有している不動産を担保に入れて資金を借りる仕組みです。自宅、相続した土地、所有している収益物件など、価値のある不動産があれば担保にできます。
不動産投資ローンとの違い
混同されやすいので整理します。
- 不動産投資ローン:これから購入する収益物件を担保にする。その物件が生む家賃収入で返済することが前提。資金使途は物件購入に限定される
- 不動産担保ローン:すでに持っている不動産を担保にする。資金使途は比較的自由(事業資金、購入資金、借り換えなど)
つまり、投資ローンは「買う物件の力」で借りるもの、担保ローンは「持っている資産の力」で借りるものです。
無担保のローンとの違い
カードローンやビジネスローンのような無担保の借入と比べると、不動産担保ローンは金利が低く、借入可能額が大きく、返済期間も長く取れるのが特徴です。担保があるため、金融機関のリスクが小さいからです。
どんなときに使うのか
岡山で実際にご相談いただくケースを挙げます。
①自己資金を作って投資物件を買いたい
収益物件の購入では、物件価格の1〜2割の自己資金を求められることが少なくありません。自宅に住宅ローンの残債がほとんどない場合、その自宅を担保に資金を作り、頭金に充てるという使い方があります。
ただし自宅を担保に入れる判断は慎重にしてください。投資がうまくいかなかったときに、住まいまで失うことになります。
②融資が付きにくい物件を買いたい
築古物件、再建築不可物件、法定耐用年数を超えた物件などは、一般の投資ローンが付きにくくなります。こうした物件を買うときに、別の不動産を担保に資金を用意する方法があります。
岡山県内でも、築40年を超える木造アパートや、旧耐震基準のマンションは融資条件が厳しくなる傾向があります。
③相続した不動産を活かしたい
相続で受け取った土地や実家があるものの、すぐに売る気はない。しかし納税や修繕の資金が必要——というケースです。担保に入れることで、売らずに資金化できます。
この場合、相続登記(名義変更)が終わっていることが前提です。2024年4月から相続登記は義務化されており、放置していると過料の対象にもなります。
④高金利の借入をまとめたい
複数のローンを不動産担保ローン1本にまとめ、金利負担と月々の返済額を下げるという使い方もあります。
審査で見られるポイント
不動産担保ローンの審査では、大きく2つが見られます。
①担保になる不動産の評価
最も重要なのが担保評価です。金融機関は、万一のときに売却して回収できる金額を見ています。
- 土地:路線価や近隣の取引事例をもとに評価。市街化調整区域や接道の悪い土地は評価が下がります
- 建物:築年数と構造で評価。木造で築20年を超えると建物の評価はほぼゼロになることもあります
- 既存の抵当権:住宅ローンの残債があれば、その分だけ担保余力は減ります
一般的に、担保評価額の6〜8割程度が借入可能額の目安になります。
②返済能力
担保があっても、返済できる見込みがなければ融資は下りません。給与収入、事業収入、既存物件の家賃収入などから、返済比率が無理のない範囲に収まるかを見られます。
注意すべき点
使い方を誤ると大きな損失につながります。次の点は必ず押さえてください。
担保割れのリスク
不動産の価値は変動します。借入時より評価が下がると、追加の担保や一括返済を求められることがあります。契約書にどう書かれているかを必ず確認してください。
諸費用が意外にかかる
事務手数料、印紙代、抵当権設定の登録免許税と司法書士報酬、不動産鑑定費用などが発生します。借入額の2〜5%程度を見ておくと安全です。金利の低さだけで比較すると、実質負担を見誤ります。
共有名義の不動産は手続きが重い
相続した実家などが兄弟の共有名義になっている場合、担保に入れるには共有者全員の同意が必要です。1人でも反対すれば進みません。相続不動産を活用する予定があるなら、名義の整理を先に済ませておくことをおすすめします。
借りやすさに引きずられない
担保があると、返済能力を超えた額でも借りられてしまうことがあります。「借りられる額」と「返せる額」は違います。家賃収入が想定より2割少なくても返済できるか、という基準で判断してください。
まとめ
- 不動産担保ローンはすでに持っている不動産を担保に借りる仕組み。資金使途が比較的自由
- 自己資金づくり、融資が付きにくい物件の購入、相続不動産の活用などで使われる
- 借入可能額の目安は担保評価額の6〜8割。既存の抵当権があればその分減る
- 諸費用は借入額の2〜5%程度。金利だけで比較しない
- 返済できなければ担保不動産を失う。自宅を担保にする判断は特に慎重に
岡山で収益物件の購入資金をお考えでしたら、まずは通常の投資ローンで組めないかを検討し、それが難しい場合の選択肢として担保ローンを見る——という順番をおすすめします。
まずは投資ローンから検討したい方へ
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よくある質問
Q. 不動産担保ローンと不動産投資ローンは何が違いますか?
A. 投資ローンは「これから買う物件」を担保に、その物件の収益力を見て貸すものです。不動産担保ローンは「すでに持っている不動産」を担保に、資金使途を比較的自由にして借りるものです。自宅や相続した土地を担保にできる点が大きな違いです。
Q. 岡山で不動産担保ローンの金利はどのくらいですか?
A. 取り扱う金融機関によって幅があります。地方銀行や信用金庫では年2〜5%程度、ノンバンクでは年5〜9%程度が一つの目安です。担保評価と返済能力によって変わるため、複数社で比較することをおすすめします。
Q. 相続した実家を担保にお金を借りられますか?
A. 可能な場合があります。ただし相続登記が済んでいること(名義が自分になっていること)が前提です。2024年から相続登記は義務化されているため、まず登記を確認してください。共有名義の場合は共有者全員の同意が必要になります。
Q. 返済できなくなったらどうなりますか?
A. 担保にした不動産が競売にかけられ、売却代金が返済に充てられます。自宅を担保にしている場合は住まいを失うことになります。この点が最大のリスクであり、担保に入れる不動産は慎重に選ぶ必要があります。




